もう一つの甲子園
この時季になると、胸が苦しくなる。
甲子園までのカウントダウンが始まるからだ。
つい先日、春季大会を終えたばかりなのに
夏の大会は猛ダッシュで向かってくる。
ここ数年、戦国青森と呼ばれるほど青森大会は熱い。
全国屈指の力を誇る八戸学院光星を筆頭に
秋と春を制した青森山田、プロ注目の剛腕投手を擁する八戸工大一。
さらに弘前東や三沢商業や大湊高校など実力校がひしめく。
聖愛高校も成長した。
秋は地区予選敗退。長く厳しい津軽の冬を越えて強くなった。
春季東北大会では選抜ベスト8の盛岡大付属を破る躍進ぶり。
今年の夏は目が離せない。しびれる毎日が続きそうだ。
そんな中、素晴らしい大会が行われた。
光星、山田、工大一、工大二、弘前東、聖愛の私学6校だけの大会。
非公式ながら、この時期に私学強豪高が一堂に集まるのは驚きだ。
なぜ、このような大会が実現したのか?
甲子園予選まで残り1ヶ月を切ると、チーム作りは完成に近づく。
いよいよベンチメンバーが決まり、本番に備えるのだ。
3年間の全てをこの夏にかけてきた選手たち。
みんなに報いてあげたい。だけど、全員がベンチには入れない。
人生とは時に無情だ。
野球が好きで、野球をやりたくて、頑張った日々・・・。
悔しいけれど、現実を受け入れなくてはならない。
18歳の若者たちは、それを乗り越えていく。
そんな3年生のために、積み上げてきた日々を発表する場を作ってあげたい。
この大会は頑張ってきた彼らのために企画された。
普段はライバル関係にあるチームが協力して用意されたステージ。
どのチームもハツラツとプレーしていた。
おもいっきりボールを追いかけ、みんなで声を掛け合って、
いい顔で野球をやっていた。
いつもはサポート役として練習補助をしていた選手が打った。
スタンドのお父さんやお母さんが大拍手をした。
初めて見るバッティングフォーム。守備もしっかりできていた。
いいね〜!素敵だね〜!輝いてるね〜!
みんな、野球が好きなんだな!どのチームもどの選手も最高だった!
3年間の頑張りを見せてもらった。ナイスゲームだった。
まばらなスタンドの野球場。だけど、これも甲子園だ。
野球少年たちが輝く場所。そこは彼らの甲子園だ。
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