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学生コーチ

ゴールデンウイーク間近になって

青森にも遅い春がやってきた。
つい最近まで雪が降っていたと思っていたのに
あっという間に桜が満開になった。
この時期になると、青森にも野球シーズンが到来する。
近所の小学校のグラウンドからは、
野球少年たちの元気な声が聞こえてくる。
いい季節だ。
メンタルコーチとして関わっているチームも
いよいよ春季大会を迎える。
ザワザワしたり、ドキドキしたり、ワクワクしたりの毎日になる。
3年生になると、最後のシーズンを迎える。
新1年生として入部してから丸2年が経つのだが、
彼らの成長には毎年驚かせられる。
2年前は少年のように初々しかった彼らが
今では、心も体もたくましく凛々しい若武者のようになる。
16〜18歳で経験する濃密な2年間は、
50歳を超えた私の2年間とは比較にはならないのだ。
特にラストシーズンを迎える3年生には
何か近寄りがたい決意のようなものを感じる。
「学生コーチをやることになりました!」
ある3年生が晴れやかな表情で言った。
物静かで控えめで、とても真面目な彼は、
野球という競技で、輝く場所が見つからず苦しんでいた。
それでも懸命に練習する姿や
メンバーの補助に徹する姿勢は立派だった。
その彼がプレーヤーとしての戦いにピリオドを打った。
彼の思い、どれほどの葛藤があったか、想像できるだろうか?
ご両親や家族、友達や恩師への思いもあるだろう。
期待に応えられない自分への憤りもあるだろう。
それでも彼は決意したのだ。
チームのために、自分ができることは何か?
そう考えた結果、学生コーチという役割を選んだのだ。
自分で考え、自分で決めた選択には、大きな学びがある。
最後のシーズン、およそ3ヶ月あまりの期間、
学生コーチとして、彼が学ぶことは計り知れないだろう。
彼は今、グラウンドで輝いている。
仕事は山のようにある。
頭と体をフル回転させなければ対応できない。
充実してるだろうな。いい顔してるもんな。
高校野球は9人のスタメンで戦うスポーツではない。
ベンチに入っているサブの選手はもちろん、
スタンドにいる全選手の総力を結集して戦うスポーツだ。
打つ、投げる、走る、捕る、すべてのプレーの後ろ側には
チームを支えてくれる仲間たちの存在がある。
春になると、あちこちのグラウンドから元気な声が聞こえてくる。
とてもいい季節だ。やっぱりそう思う。

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