あなたは、大前研一の「日本復興計画」を読みましたか?
東日本大震災を経て緊急出版された
大前研一氏の「日本復興計画」を読みました。
1冊1,200円のうち、印税を含む12%分が義援金になる仕組みで、
読みながら復興支援に参加できるという、なかなか素晴らしい本なのです。
まず第一章は、「原子力の時代は終わった」です。
大前氏は、マサチューセッツ工科大学で、原子力工学の博士号を取得し、
その後、日立製作所に入社し、原子炉プラントの設計に携わっていたそうです。
元々、原子力推進派だった大前氏が、「原子力は終わった」と
断言するのですから、重みが違います。
今後、国内に原子力発電所を作るのは不可能だし、
日本の国策として推進してきた、原子力輸出政策も終わるだろう・・・。
その結果、日本中で35%の電気を節約しなければならないそうです。
続く第二章は、「三分の二に縮小する生活」です。
大前氏の見立てでは、福島原発の修復に、5~10年かかると予測しています。
その間、私たちは、35%の電力節約→2/3縮小した生活を余儀なくされます。
大前氏は、この逆境を乗り切る方法として、3つの節電策を訴えています。
①サマータイムの実施 ②週5日間を選択性営業 ③夏の甲子園の中止
*詳しくは、本を買って読んでください。
個人的には、夏の甲子園の中止だけは避けたいですね~
真夏の電力消費量を下げるためなら、「秋の甲子園」にしてもいい。
何としても、高校球児の夢だけは残してあげたいのです。
さて、最後の第三章は、いよいよ「日本復興計画」です。
大前氏の日本復興計画には、2本の柱があります。
①地域の繁栄をもたらすための道州制
②日本人のメンタリティの変革
①の道州制は、とても素晴らしいアイデアだと思います。
東北6県(新潟県を含む7県)が、ひとつの州となり復興に一丸となる。
道州制は、ほぼ独立国家に近い考えですから、
各州の特徴を生かした新しい国ができれば、ダイナミックな復興ができそうです。
それぞれの州には、変人の首長が不可欠だそうです。
変人とは、凡人の反対語としての変人です。
確かに凡人のリーダーは、まったく用を成さないでしょうね・・・。
②の日本人のメンタリティの変革は、なかなか辛辣です。
まず、住宅、クルマ、教育の三大熱病(見栄っ張り)を早く治すこと。
住宅やクルマは、購入した翌日から価値が下がる代物です。
そんなものを買う必要はないと大前氏は言います。レンタルで充分だと・・・。
教育とは、つまり有名私立のこと。
幼稚園から大学まで私立に通わせると、2470万円!
国公立なら793万円ですから、その差額こそ無駄。
「子供には金をかければかけるほどスポイルされる。」とのこと。
高い授業料を払うくらいなら、親子で人生観を共有したほうがリターンは大きい。
確かに、目的意識もなく惰性で進学するのは、時代に逆行していますね。
そして最後に、「国は何にもしてくれない」ということ。
「自分だけでサバイブする覚悟と防衛術」を身につけよ・・・と結んでいます。
適者生存といいますが、まさしくこの大変換期にこそ、
私たち東北人の底力を見せなきゃいけません。
大前研一氏の「日本復興計画」。ぜひお奨めしたい1冊です。
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