「意思あるところに道は拓ける」by古田等
中国の古典「菜根譚」の中に、このような一節があります。
「逆境は良薬、順境は凶器」。
逆境にあるときは、身の回りのものすべてが良薬となり、
節操も行動も、知らぬままに磨かれていく。
順境にあるときは、目の前のものすべてが凶器となり、
体中骨抜きにされても、まだ気づかない。
苦労をバネにして自分を磨いていこう・・・という意味です。
さて、先日のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」をご覧になりましたか?
今回のプロフェッショナルは、中華料理人「古田等」さんでした。
古田さんは、独創的な料理でプロの料理人からも注目される人です。
しかし、そのキャリアは決して順風満帆ではありませんでした。
むしろ、逆境とコンプレックスの中から、ようやく掴んだ現在の姿だと思います。
古田さんのお店は岐阜県にあります。
31歳で開業したときは、小さな中華料理店だったそうです。
(今では、3階建てのおしゃれなお店になっています)
古田さんは都会の有名店での修行経験がありません。
高名な師匠もなく、経験も不足している料理人だった訳です。
普通なら、町の中華屋のおやじとして収まるパターンですよね。
でも、古田さんは逆境とコンプレックスをバネにして、向上心を持ち続けました。
「僕は僕でいいんだ」、努力の結果、この言葉に辿りついた古田さんは、
修行経験がないことを「自分らしさ」の一つと捉え、
従来の中華料理の枠を超えた大胆な料理に挑戦するようになったのです。
古田さんの座右の銘は「もっと出来る。まだ先はある」です。
お客さんから「おいしい」と言われたことに満足することなく
もっと何か出来ないか?もっと深い味を出せないか?と自問自答するそうです。
まさしくプロの本懐です。さらなる高みを目指す姿勢に共感します。
●プロフェッショナルとは?という問いかけには
「どんな職業でも、目標=楽しみながらやる夢を持って、
それを実現していくことがプロフェッショナル」と答えています。
決して、奇をてらうことなく、等身大で語る古田さんに、
真のプロの姿を見ることができました。
本物のプロは、さりげなく良い仕事をするものなのですねぇ。
★最後に再び、「菜根譚」の一節を紹介します。
「早熟は晩成に及ばない」
きらびやかで目立つものは短命であり、地味で長持ちするものに及ばない。
早熟の天才よりも、愚直な大器晩成を目指せ。
*「プロフェッショナル」再放送
3月14日午前11時~ NHK BS2
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント