白いリンゴの物語
「白いリンゴ」をご存知ですか?
赤いリンゴや、緑のリンゴ、黄色のリンゴじゃなくて、白いリンゴ・・・。
先日、その「白いリンゴ」の話を聞くために、
南部町の名久井農業高校の先生とお会いしました。
白いリンゴの開発は、名久井農業の女生徒12人で行ったそうです。
一般的なリンゴ栽培では、リンゴに袋をかぶせて育てますよね。
そして、収穫直前になって、袋を外します。
袋を外す際は、リンゴに太陽の光がまんべんなく当たるように
周辺の葉を摘み取ったり、木の下に反射板を置いたり、
農家の人は、リンゴが綺麗な赤になるように手間暇をかけるわけです。
リンゴは見た目がポイント。真っ赤なリンゴほど需要があります。
ところが、名久井農業の女生徒たちは、
「もし、袋を外さないまま栽培したら、どうなるのか?」
という、素朴な疑問を持ったそうなんです。
陽光に当たっていないリンゴは無色です。つまり白いんです。
もしかしたら、真っ白なリンゴが出来ちゃうかもしれない・・・。
そんなふうに想像を膨らませたことでしょう。
ワクワク、ドキドキしながら、秋の収穫時期がきました。
袋の中で育ったリンゴは、袋を外したものと変わらないほど
すくすくとたわわに実っています。
恐る恐る袋を外してみると、なんと、美しい純白のリンゴが顔を出しました。
問題は味です。
おいしくなければ、リンゴじゃない。ただの樹の実です。
収穫後、実が熟すのを待って、試食会を開催しました。
一口食べると、「やわらか~い!!」二口目には「甘~い!!」
白いリンゴの特徴は、皮がとても薄いことだそうです。
皮が薄いから、皮を剥く必要がありません。
ガブッとかじると、やわらかくて甘い味が口いっぱいに広がります。
また、袋を外さないため、周辺の葉を摘み取りません。
したがって、残された葉っぱは、一生懸命に光合成を行い、
糖分を作り、果実へ送り込むわけです。
リンゴの醍醐味である丸かじりで、ジューシーな甘味を楽しめるんですね~。
白いリンゴは「サイレントホワイト」と名付けられました。
白はリンゴの花の色。白は雪の色。白はピュアな心の色。
とても、美しいネーミングです。なんだか物語が始まりそうです。
サイレントホワイトは、赤いリンゴと2個セットで商品化を狙います。
想いを届けるリンゴ「メッセージ・アップル」というコンセプトで
ギフトマーケットにデビューさせよう、という計画なのです。
まだ実験段階なので、量産はできないそうですが、
近い将来、南部町の新しいブランドとして、世に出ることでしょう。
担当の先生のお話を聞いただけで、めちゃくちゃワクワクしてきて、
とにかく、名久井農業の「白いリンゴ」を応援したくなっちゃいました!
リンゴは赤い、という常識を打ち破った。
いわゆる非常識な発想に、とっても刺激を受けました。
面白いよね~「白いりんご」!
色白の南部美人「サイレントホワイト」・・・、惚れてまうわ~!
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