面白いストーリーを持っている会社は強い! ~ストーリーとしての競争戦略より~
お盆休みも終わりましたね。
今日から仕事を再開する人も多いのではないでしょうか?
さて、お盆休み中、ちょっと面白い本を読みました。
楠木建さんの「ストーリーとしての競争戦略」という本です。
楠木さんは、一橋大学の教授で、国際企業戦略研究を専門にしています。
本の内容も充実していて、500ページにも渡る、なかなかの大作でした。
「戦略の神髄は、思わず人に話したくなるような面白いストーリーにある。」
というキャッチフレーズのとおり、成功した会社は面白い物語を持っています。
教授の言葉を借りると、「イケてる戦略は面白く、もっと聞いてみたくなります。
知的興奮を覚えるだけでなく、他人事であるにもかかわらず
「その線でやってみようじゃないの!」という気にさせられます。
一方で、イケてない戦略は、からっきし面白くありません。」
確かにそのとおりです。
成功している会社の社長さんの話は、おしなべて面白い!
成功までの紆余曲折の秘話には、「なるほど!」とか「マジッすか?」とか
目から鱗の話や、意外性たっぷりの逆転劇などが盛り込まれています。
物語として成立していて、とても興味深い話になっています。
特に、本の中に登場した「キラーパス」という視点は勉強になりました。
「キラーパス」は、物語における起承転結の「転」に当たります。
キラーパスとは、一見非合理なものです。
業界の常識では、絶対に手を出さない「一手」を選択する戦略です。
例えば、スターバックスコーヒーは食事を出さない。
なぜ、コーヒーを売っているのに、軽食はサービスしないのか?
例えば、サウスウエスト航空は、ニューヨークやシカゴなどの
大きなハブ空港を使用しない。なぜ、乗客が多い空港を使わないのか?
*答えは、本を読んで、自分で納得してください。
優れた戦略ストーリーに共通するのは、「バカな」と思わせる非合理な
要素がありながらも、成功してみると「なるほど」とうなずいてしまうことです。
これを「バカなる理論」と呼ぶそうです。
企業戦略を一口でいうと、「他社と違った良いことをやる」ということです。
ちょっと賢い経営者であれば「良いこと」を見つけるのは簡単です。
また、変わり者の経営者であれば「違ったこと」をやるのは得意技でしょう。
でも、「違っていて良いこと」をやるのは、もはや芸術の域かもしれません。
芸術だからこそ、ストーリーとして素晴らしいのです。
他社のモノマネばかりしている人は、キラーパスを蹴れません。
本人は蹴っているつもりでも、本物からますます離れるだけです。
キラーパスを蹴る秘訣は「なぜ」を突き詰めることだそうです。
「コストが合わない・・・」とか、「技術的に無理・・・」とか、
その理由をもう一度深く考えてみましょう。
ほとんどの場合、あなたの常識が邪魔しているはずです。
「非常識」な視点を持つ!
文昭兄さんに教えられた「非常識」という考え方が、また登場しましたね~
あなたは、「キラーパス」を蹴れますか・・・?
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